2019年9月7日 (土)
五条にしかわ歯科クリニックの西川です。
痛ましい医療事故です。
麻酔薬を使った虫歯治療後に容体が急変して死亡した長女(当時2歳)の両親が、適切な処置を怠ったとして福岡県春日市の歯科診療所の元院長や担当歯科医らに計約1億500万円の損害賠償を求めて福岡地裁に提訴した。(9月6日 毎日新聞より)
同業者の目線で考えると、
①そもそも、2歳の子どもに麻酔をしてまで治療をする必要があったのか?
②治療後に容体が急変した際に、なぜ「よくあることです」で済ませたのか?
麻酔薬を使用したことによる中毒が原因だそうです。ラバーダム防湿もして治療をしていたとのことなので、治療を真面目にしている先生なのだとは思います。小児歯科に特化した医院の様でした。
私が引っかかるのは①のほうです。よっぽどのことがなければ、そこまでの処置はいらないと思います(外傷などは例外です)。こればっかりは、当事者でないとわからないことですが・・・
業務上過失致死で書類送検です。「たられば」ですが、なぜもっと早い対応をしなかったのか。後悔と悲しい気持ちばかりで、ほんとうに誰も得をしない事件です。自分の子供に同じことがあったら・・・と考えると心が痛みます。
医療の現場は、「ヒヤリハット」の連続です。他人事ではなく、自分の医院でも常に最悪の事態を想定して行動しなければならない、と感じた事件でした。
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