2020年6月2日 (火)
五条にしかわ歯科クリニックの西川です。
6月1日より、『純チタン』を使用した被せ物(クラウンと言います)が保険診療で行えるようになりました。
超賛否両論ありますが・・・いかがなものなのでしょうか?
国内で最も一般的に用いられている種類の材料であり、一般的に「純チタン」と呼ばれています。
「純」チタンとはいいますが、正確にはO,N,C,Fe,Hといった不純物を少量含んでいます。
つまり「純度の高いチタン」という事なんです。
JIS規格では、純チタンも1種、2種、3種、4種と分けられますが
その違いはO、Feの含有量によって区別され、1種は純チタンの中で最もO,Feの含有量が少なく、最もやわらかい純チタンとなります。
一方4種はO,Feの含有量を高め純チタンの中では最も硬い純チタンとなります。
1種から4種まで規格では定められてはいますが
国内で最も一般的なものは、強度と加工性のバランス優れた純チタン2種材です。
弊社でもプレス加工用の純チタン板材で1種材を使用することはありますが、
殆ど2種材を使用しています。
(西村金属様のHPより抜粋させていただいています)
大学で習ったことを思い出すと、
・(めっちゃ)硬い
・比較的簡単に採掘できる
・加工が超大変・・・専用の機器が必要
・比重が軽い・・・安い。金属は、グラム当たりで価格が決まります。同じ量でも、軽い金属は安くなります。
・歯科では、インプラントや入れ歯に使用されている
・腐食に強い・・・耐久性が高い
こんな感じでしょうか?
歯科医師側からすると、金銀パラジウム合金を使用しなくてよいので、経済的になると思います。これは大きなメリットですね。金銀パラジウム合金が長く保険治療で使われていたのは、「安い」からです。価格が高くなった時点で、保険治療では使用できません。
デメリットとしては、対合歯(咬みあう相方の歯)を摩耗させてしまうのではないかと、再治療の時に外すの超大変じゃね?というところです。
おそらく、外そうとすると削る道具が先にダメになるような・・・
保険導入は決定していますが、いまのところデメリットがメリットを上回っているので、私は使用しません。CADではなく、鋳造のみというのも引っかかりますし。
3~4カ月くらいしたら、周りの先生で使用している感想も聞けると思うので、それからでも遅くないような気がします。
何にせよ、金銀パラジウム合金は保険から外れていくようになるのでしょうね。
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